独自性と付加価値で成功に導く

ある雑誌を見ていたら、ランディングページでオンライン販売されるカニをすべて取り寄せて比較していた。雑誌の記事としては非常におもしろいのだが、消費者心理とすれば、本末転倒である。

鮮度の求められる生鮮食品で、しかも、個体差が大きく、単価の高いカニをランディングページでチェックして買うだろうか。デパートやスーパーで買うか、もしくは、美しい写真の載ったカタログショッピング(大手デパートなどの裏づけのある)で買うほうが安心できるのではないか。インターネットの威力を生かすのは、こんな商品の宣伝ではない。

また、「持ち帰るには重いお米をメールで販売します」という商売は、さも便利そうに思える。だが、いまや、スーパーでさえ買ったお米を宅配してくれるところは多い。町の米屋で配達してくれないお店は皆無だ。

これでは、ヒット数が伸びず注文が少なくてもしかたない。注文が来ないとは言わないが、インターネットならではのメリットが生かし切れていない。

インターネット広告で成功するには、既存の商売とは異なる独自色を打ち出さなければならない。一番簡単なのは、安くすること。インターネットでの商売なら、店舗も在庫も不要だし、広告費も安くあがる。

極端な話、5万円でインターネット広告を出し、注文が来た時点で商品を仕入れて販売することさえできる。これで、通常の商売と同様の金額で販売するほうがおかしい。同等の利益を得るとしても、販売価格を抑えることは十分可能だ。

また、あまりに売れる数が少なく、これまでは広告を打てなかった商品の広告を打つこともできる。地方の特産品や手作り商品、生産個数のかぎられたものなど、売上が少なくて従来の広告ではペイしなかった商品にも活路が見いだせるというわけだ。

もうひとつの方法は、情報としての付加価値を加えることだ。カーナビゲーションを販売するあるランディングページでは、「質問を受け付ける」と明記されていた。自分の車に設置できるかどうかなどの質問を行ってみると、翌朝、早々にレスポンスが返ってきた。これならば、ショップに対する信頼感も増すはずだ。

インターネット広告に成功したかどうかの効果測定は、かけた予算で得られた効果を総合して判断するべきだ。現状では、多額の予算を投じて月間数百万のヒットを狙うより、予算を抑えて数万〜数十万のヒットを目指したほうが効率的だ。ただし、インターネットを取り巻く環境は激変しており、1997年には月間1000万ヒットのホームページがいくつも登場するだろう。

インターネット広告には、既存の広告よりも有利な点がたくさんある。お金をかけずに売上を伸ばすには最適な媒体であることを、最後にもう一度強調しておきたい。